近年、ホームページ作成ツールのWix やJimdoなどで制作したホームページをよく見かけるようになりました。専門的な知識がなくても手軽にホームページが作れるサービスが増えており、無料プランも多くあります。私たちのようなサイト制作のプロの目から見てもクオリティが高く、大変便利なサービスだと思います。
この記事では、ホームページ作成ツールでホームページを制作するメリット、デメリットとともに、人気のプラットフォームであるWordPressとの違いも解説します。ホームページ制作を検討している方はぜひ参考にしてください。
無料で手軽なホームページ作成ツール
数多くのホームページ作成ツールの中から、人気の高いサービスを4つピックアップしてご紹介します。
Wix(ウィックス)
ホームページ作成 | 無料ホームページ制作ツール | Wix.com
Wixはイスラエルに本社をおくホームページ作成ツールです。使いやすさと洗練されたデザインが世界中のユーザーに支持され、現在一億人以上が利用しています。
ドラッグ&ドロップなどで操作が完結し、コーディングの知識がなくても簡単に制作を進められる上に、比較的細かなカスタマイズができるのが特徴です。800種類以上のデザインテンプレート、20,000点以上の写真・動画が使用可能となっていることも人気の理由でしょう。
より簡単にホームページを作成したい時には「Wix ADI」がおすすめ。いくつかの簡単な質問に答えるだけで、人工デザイン知能が最短3分でホームページを自動作成してくれます。
月額料金は最上級の「VIP」プランでも2,500円と安価です。無料プランもありますが、独自ドメインが使用できないことや広告表示が入るため、あくまでも有料サービスのお試し版と考えた方がよいでしょう。
Jimdo(ジンドゥー)
ジンドゥー|簡単・無料ホームページ作成ツール|KDDIグループ (jimdo.com)
Jimdoはドイツ発のサービスですが、KDDIウェブコミュニケーションズが協賛パートナーとして展開しているホームページ作成ツールです。日本語ローカライズもほぼ完璧で、国内でトップクラスの利用者数を誇ります。
ドラッグ&ドロップで手軽にホームページを作れる「ジンドゥークリエイター」機能だけでなく、「ジンドゥーAIビルダー」という自動ホームページ作成サービスも提供しています。これは質問に答えていくとAIが自動で最適なページを作成してくれるというものです。Wixと似た機能が多く比較対象になりやすいですが、Jimdoの方がシンプルな設計のため、「機能がありすぎて迷ってしまう」というホームページ初心者にはおすすめです。
無料から利用可能ですが、独自ドメイン使用不可であること、広告表示が大きく入ることは気になるポイントでしょう。また180日間ログインがないと削除される可能性もあるので注意が必要。ビジネス利用であれば有料プランを推奨します。
Goope(グーペ)
ホームページ作成・ホームページ制作サービス「グーペ」 (goope.jp)
Goopeは、GMOペパボ株式会社が提供する店舗向けの有料ホームページ作成ツールです。簡単に導入できることで利用者満足度が高く、現在10万人以上のユーザーに支持されています。
項目を選択していくだけで、飲食店や雑貨店、美容室など、業種にあわせたホームページを作ることができます。予約フォームの設置やクーポン情報の追加、営業カレンダーの公開など、店舗運営者に便利な機能が幅広く搭載されています。さらにメニューページにショッピングカートを設置でき、ネットショップの開設にも対応しています。
無料プランはありませんが、使い心地が気になる方は15日間の無料お試し期間を利用してみるとよいでしょう。
Ameba Ownd(アメーバオウンド)
無料でホームページやブログを作ろう – Ameba Ownd(アメーバ オウンド)
Ameba Owndは、アメブロで知られる株式会社サイバーエージェントが運営するホームページ作成ツールです。アメブロとの機能面の違いは、ブログ以外のホームページを作成できること、テンプレートが用意されていること、独自ドメインを使用できることなどです。
デザイン性が高く、多くのテンプレートが用意されているため簡単におしゃれなページを作れます。外部サービス「BASE」と連携しており、ページ内にネットショップを開設することもできます。
Ameba Owndでは無料プランでも独自ドメインを使用できるのが大きなメリットです。ただしスマホ表示の際に目立つ広告が入るため、ビジネス利用であれば有料プランがおすすめ。
ホームページ作成ツールのメリット
続いて、ホームページ作成ツールを利用することのメリットをご紹介します。
初期費用が安い
ホームページ作成ツールを利用すると、初期費用をかけずにホームページを手に入れることができます。先ほどご紹介した通り、無料のサービスを提供しているツールも多くあり、Web制作会社に依頼するよりもコストを抑えられます。
お金をかけずにホームページを制作したい、短期間の利用なのでこだわりがないという場合にはホームページ作成ツールが便利です。
知識がなくても簡単に作れる
インターネットが苦手な人であってもさほど苦労せず制作できることも、ホームページ作成ツールを利用する大きなメリットでしょう。マニュアルに従って進めるだけで見栄えのよいホームページを完成させることができます。前章でご紹介の通り、質問に答えるだけで自動でホームページを制作してくれる機能を搭載しているツールもあります。
ホームページ作成ツールのデメリット
利便性の高いホームページ作成ツールですが、利用を検討するならデメリットについても知っておく必要があります。
サービスが終了し、構築してきたものが消滅する可能性がある
残念ながら、ホームページ作成ツールを使って制作したホームページは自分の所有物ではありません。サービス終了やアカウント停止など、自分ではコントロールできない事態が起こり得ることは最大のデメリットといえそうです。
最悪の場合、時間をかけて構築したサイトそのものや書き溜めたブログなどが消滅してしまうことも考えられます。
見覚えのあるサイトになる
ホームページ作成ツールでは用意されたテンプレートから好きなデザインやカラーを決めるなどして作っていくため、手軽な反面オリジナリティを出すことは難しくなります。結果としてどこかで見たようなサイトが完成してしまう可能性があるのです。
会社のブランディングとしてホームページを活用したい時などには不向きといえるでしょう。
意外と簡単じゃない
どのツールも「簡単」と謳ってはいるものの、知識がまったくない状態からのスタートは作業が難航する可能性もあります。とくにレイアウトの微調整はプロでも難しく、手を加えていくうちにスマートフォンでの表示が崩れしまうといったことも。
こうしたトラブルはすぐにでも解消したいところですが、ホームページ作成ツールでは問い合わせフォーム自体開設していなかったり、海外ツールで日本語に対応していなかったりなど、サポートが充実していない場合があります。
ホームページ作成ツールに向いている人・不向きな人
ホームページ作成ツールを利用することのメリット・デメリットを理解したところで、ホームページ作成ツールに向いている人とそうでない人についても解説します。ご自身がどちらに当てはまるかをチェックしてみてください。
ホームページ作成ツールに向いている人
一時的な窓口として簡易的にホームページを利用したい人は、ホームページ作成ツールの利用がおすすめです。用意されているテンプレートを利用すれば、短時間で公開まで進めることができるでしょう。急きょホームページが必要になった時などにも便利です。
ホームページ作成ツールに向いていない人①
ホームページを自分の所有物として、中長期的に育てて情報発信の基盤にしたい人は、ホームページ作成ツールに不向きといえそうです。デメリットでも解説したように、ホームページ作成ツールにはサービス自体が終了してしまう危険性があります。
実際のところ、近年無料ホームページ作成ツールのサービス終了が相次いでいます。データの引き渡しができたとしても、これまで育ててきたページが消滅するダメージは大きいでしょう。
ホームページ作成ツールに向いていない人②
SEOに配慮したホームページを作りたい方も、ホームページ作成ツールには向いていません。独自ドメインを利用できないツールで作成したホームページは検索結果の上位に表示される確率が低くなり、結果としてユーザーの訪問機会を逃してしまう可能性もあります。
多くの人にホームページを見てもらいたいと考えるのであれば、ホームページ作成ツールの利用を避けるのが無難でしょう。
WordPressとの違いって?
CMSタイプのホームページ作成ツール、WordPressとの違いについても解説します。
サイトが使えなくなる心配が少ない
WordPressは、レンタルサーバーを契約して独自ドメイン取得もセットで契約&構築するケースが一般的です。レンタルサーバーの事業者への利用料金を払っていれば、ずっと利用できます。だから、中長期的なサイト構築と運用ができます。ポイントは、レンタルサーバーの事業者選定です。そして、世界的にシェア率が高く今後も使われる続けるプラットフォームのため、サービス終了のリスクが少なく安心して利用できます。
自分好みにカスタマイズできる
WordPressはホームページ作成ツールと比べて運用の難易度は上がるものの、豊富なテーマやプラグインからイメージに合ったサイト作りが可能です。そのため、似たようなサイトが出来上がる心配がありません。
またWordPressは利用者が多いため、使い方やカスタム方法で困った時でも検索すればすぐに解決法が見つかります。
SEOに有利
SEOの専門家やGoogleのスパム対策チームも、WordPressの持つSEO効果を明言しています。その理由は、WordPressがSEOに必要な施策を簡単に実装できるからです。テーマやプラグインでGoogleに評価されやすいサイト構造を実現しやすく、SEO対策を整えることができます。
まとめ:安定的にサイトを育てたいならWordPress一択!
ホームページを自分の所有物として中長期的に構築していきたいなら、WordPressでのホームページ制作がベストでしょう。WordPressで制作するとオリジナリティとSEO対策の両方を叶えることができます。
デザイン性やSEO対策については制作会社に依頼した方が効果の出るケースが多いため、時間がない方やインターネットに詳しくない方はプロに頼るのも一つの手です。弊社でもWordPressを使ったホームページ制作を提案しており、完成後も修正やアップデートなどのアフターフォローを行っています。
他にも「どちらが向いているのかが分からない」「ホームページ作成ツールからWordPressに移行したい」など、気になることはお気軽にご相談ください。ホームページを自分で「作る・運用する・育てる」ホームページスクールも開講中です。